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「もう帯広に来ることはないと思った」世界で3,500万DLされるカレンダーアプリ会社の社長が、月1回社員を連れて帯広に通うようになったわけ

帯広市は、コロナ禍直後の令和2年度に十勝シティデザイン㈱とワーケーション/関係人口増加に関する連携協定を締結しました。同年には「十勝・帯広リゾベーション協議会(※)」が発足されています。これらを起爆剤として首都圏企業群との交流を加速させており、域外から様々な人が十勝・帯広に関わり始めています。
(※)日本におけるイノベーション創出のモデル地域となることを目的とする団体。

今回話を伺った、日本最大級のカレンダーアプリ会社㈱ジョルテの下花社長も、この流れがきっかけとなって帯広を訪れるようになっています。

プロローグ

「多分もう帯広に来ることはないと思います。」
これは、下花社長が初めて帯広市を訪れたときの言葉です。

食べ物はおいしいものの、街に人がいない様子をみて「これっきりかな」と思った下花社長。ところが今は、帯広市にビジネスチャンスを感じ、社員を連れて毎月1回必ず訪れるようになりました。

もう来ないと思うほど魅力を感じなかった街の、どこに可能性を見出し何を実現しようとしているのでしょうか。下花社長の目線で感じた帯広の可能性について詳しく伺いました。

この記事を読んで、帯広に興味をもってくれる方が一人でもいたらうれしいです。

十勝・帯広にハマった理由

——十勝・帯広を訪れようと思った理由を教えてください。

乗換案内アプリ会社のジョルダン㈱の岡田さんに誘われたのがきっかけです。いつも冷静な岡田さんが興奮して帯広の事を話していて、納品の関係もあり、一度行ってみようと思いました。岡田さんには、否応なくあちこち連れまわされましたね。

食べ物はおいしかったし、温泉・サウナも良かったけれど、もう来ないだろうなと思っていました。けど、何故か東京に戻って数日経つと、自然と帯広の事を思い出すんですよ。東京に帰ってから、色んな人に帯広での土産話(自慢話)をしているうちにだんだんいい思い出だったなと思えてきて。結局100人以上には自慢したと思います。私なりに、ひそかに、帯広の営業マンをしているんですよ。

下花剛一

プロフィール
株式会社ジョルテ代表取締役社長 下花 剛一(しもはな こういち)広島県出身。会社員を2年勤めた後独立、27歳で会社を設立。カレンダーアプリ「ジョルテカレンダー」が世界3500万ダウンロード。現在は地域情報、DXなどに取り組み、全国を駆け回る日々。

——口コミしていただいてありがとうございます。十勝・帯広の魅力は何だと感じましたか。

最終的には人のつながり、なんだと思います。単に食事、温泉、サウナがあっても、また行きたい、とはなりにくいと思います。それ自体も十分素晴らしいのですが。でも十勝・帯広には行った時に話をするだけでも会ってくれる人がいる。人懐っこい人たちが多い気がします。

ビジネスの可能性

——十勝・帯広のどこにビジネスの可能性を感じたのでしょうか。

ビジネスや仕組みを作りたいと思い、地方で実績をつくろうと考えていました。東京だと情報が多すぎて中途半端になってしまいます。でも帯広の規模感だとやり切ることができると思いました。

また、人口がある程度いる都市なのにデジタルが遅れている地域だと感じ、そこに商機があると思いました。現に十勝・帯広の人は地域情報を主に紙媒体から得ていますよね。これが悪いという意味ではなく、どこかでデジタルに変わっていくはずだと。そこがチャンスだと見ていました。

ただ、既存地元企業のシェアを奪うような形ではなく、地域の方と一緒にやっていきたいと思っています。我々は地域情報を中心としたITのプロではあるけれども、取材のプロではないので、長所を掛け合わせてビジネスをやっていけたらと思っています。

今後について

——今後の展開、目標についてお聞かせ願えますか。

情報を知らないことで人間の行動が自然と制限されていると思います。人が新しい行動をとって、楽しく暮らすこと。それをやり切りたいです。生まれ故郷の地域だったりいくつかの地域で考えてますが、帯広でまずやってみたいです。

㈱ジョルテ、ジョルダン㈱が描く未来像 
引用:㈱ジョルテHPより

具体的には、地域のイベント情報を集約すること。まずは帯広駅周辺の文化ホールでの催しを網羅して提供したいと思っています。現在、ネットで各自が発信を行っていますが、点でしかないため、文化施設ごとで各自のイベントを把握できていません。

もうひとつは給食カレンダーをつくること。先日帯広市長にも直接伝えさせていただきましたが、もっと給食の魅力を伝えていきたいと思います。ここは帯広市さんのやりたいことと我々のやりたいことの足並みが揃っていると思います。この給食カレンダーに先ほどの地域情報を組み合わせて提供することを考えています。

DXもそうですが便利なツールを作って「使ってください」といってもなかなか使ってもらえないのが現実です。入口から使いやすくある必要がある。給食カレンダーは、多くは保護者が使用するので、入口としていかに入りやすくして、地域情報とセットで使ってもらうことを想定しています。

※令和5年1月下旬から「帯広市学校給食カレンダー」が開始されました!

帯広市HP(帯広市学校給食カレンダーについて)より

下花社長が大事にしていること

——何かをするうえで、何をやるか以上に誰とやるかだと最近感じるのですが、下花社長はどうお考えですか。

そのとおりだと思います。志だったり、やろうとしていること、熱量が合うとか価値観が合うことが重要だと思います。お金だけを求める人もいるし、誰かのためになることをやりたいという人もいる。いろいろな人がいる中で、価値観や熱量が合っている人たちと一緒にやると、何をやってもいいものが生まれると思うし、成し遂げることができると思います。十勝・帯広には一緒にやりたいと思う人がたくさんいますね。

——実際にどの部分を見ていますか。

価値観が合うかどうかと、やり切る人かです。帯広は開拓民のルーツがあってブレーキを踏む人がいない、やり切る人たちが多いかなと。ブレーキを踏む人がいなくて大丈夫かなと思うくらい(笑)。やり切って失敗するのは良い。良くないのがあーだこーだ言って時間だけが過ぎて機会損失してしまうこと。ちゃんとやり切る人たちとやることを大切にしていますね。

——カレンダーアプリ業界でシェアを築いた下花社長がどういう思想なのか気になっていて腹落ちしました。

カレンダーの枠にとらわれない大きなことをやりたいという想いでいます。地域のDXやデジタル化は単なるカレンダーの枠を超える、大きな価値を持つチャレンジです。私はチャレンジをしないなら会社をやる意味はないと思っています。会社を続けるためだけに会社をやるつもりはありません。

ただ単純にお金をもらうために働くのは、たとえお金が残ったとしても寂しいことだと思う。人間が仕事をする時間は人生でも長い時間を占めて貴重なので充実感を持ってやろうよ、というのが今の想いです。

帯広で、僕たちも全力で取り組むので、地域の皆さんと一緒にチャレンジしたいです。

左から2番目が下花社長、同3番目がジョルダン㈱岡田氏

インタビューを終えて

落ち着いた受け答えの節々から、仕事観や十勝・帯広への熱い想いを時間いっぱいまで丁寧に語っていただきました。

IT業界の厳しい競争を戦う下花社長には、やさしい語り口の中で、確固たる想いと強さを感じました。エンタメや刺激が少ないといわれる地方都市。ジョルテさんが地方都市の生活を変えるのだろうと思います。

下花社長ありがとうございました!今後ともよろしくお願いいたします。

このnoteを読んでくださった読者の皆様にも下花社長のようなパラダイムシフトは起こり得ると思っています。随時十勝ツアーをしています。興味が湧きましたらご連絡をお待ちしております。

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