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LINKED CITYの地方創生を自ら体現するソニーマーケティング光成氏の十勝・帯広での開拓

今回は十勝・帯広に足繁く通っている、ソニーマーケティング㈱の光成和真みつなりかずまさんに、十勝・帯広をこよなく愛する理由と現在の取組について伺いました。

十勝・帯広リゾベーションツアーをきっかけに、沼にハマるように十勝・帯広の魅力の虜になり、土地まで買ったという光成さん。日本全国を飛び回るどう考えても普通のビジネスパーソンではない光成さんから見える、十勝・帯広の地域資源とディスプレイとの新しい可能性を語っていただきました。

ぜひ最後までお付き合いいただけますと幸いです。


仕掛人光成さんについて

――光成さんはどんな活動をしているのでしょうか。

ソニーマーケティング株式会社でソニー製品の国内における営業活動をしています。私が属するtoB向け部門ではホテルや教育機関等に、ディスプレイを通じた課題解決の提案を行っています。また、この取り組みに共通して、LINKED CITYリンクドシティという活動も行っています。

ディスプレイは今までテレビ番組を見るためのものでした。しかし、現在ディスプレイに対する需要は多様化していますし、活用の機会もその分多様化しています。私たちは、活用次第で人間の新しい行動を促し、ウェルビーイングにつながるという仮定のもと、様々なソリューションを提案しています。そのうちの一つが今回の「地域情報」というテーマでの活動です。

光成 和真(みつなり かずま)
1991年ソニーマーケティング(株)入社。2016年よりB2Bビジネスを担当。
公益社団法人国際観光施設協会にて、LINKED CITYチームのリーダーを担当。

――「LINKED CITYリンクドシティ」とはどんな活動なのでしょうか。

国は2030年にインバウンド6000万人という観光立国の目標を掲げています。会社としても我々が有するハードウェアあるいはソフトウェアで、各課題の解決を中長期的に目指しています。地域資源を掘り起こし、どう産業にし、どういうストーリーを持たせられるか。私個人としてもデジタル技術を活用し、魅力ある地域資源に向けて送客をしなければと考えた次第です。

とはいえ、ソニーだけではできない。そこで、公益社団法人国際観光施設協会(※)に参画し、協力企業を募り、チームプロジェクトとして始めたのがLINKED CITYリンクドシティです。餅は餅屋なわけで、組み合わせることでワンパッケージのソリューションを提供できるわけです。この活動の過程で、国が目指すスマートシティ推進を目指すことにしました。日本中の自治体がデジタル田園都市国家構想総合戦略を策定して組み込む中、観光を入り口としてスマートシティを作ることの必要性を感じています。

(※)公益社団法人国際観光施設協会
ホテル・旅館などの観光施設について、建築・設備・インテリアなどの
整備・改善、観光地の活性化・まちづくりについて調査・研究する技術
者集団です。会員は設計事務所、施工会社、建材・設備調度備品等の
メーカーで構成されています。(https://www.kankou-fa.jp/about)

この活動を始めて丸2年になります。始めた時は30社ぐらいでしたが、今は100社以上になっています。会社の大小、地方を問わず、各領域のソリューションを持っている方と連携できれば、ビジネススピードを上げられたり、できなかったことができるのではないかと。共通の目的、目標を持って集まっているチームだから提供できる幅の広さがあります。

LINKED CITYイメージ

五感で体感した十勝・帯広の魅力

――関わるようになったきっかけは何でしたか。

2020年の12月に東京で行われた「旅のはじまりナイト」というイベントに参加して、十勝シティデザインの柏尾さんにそこで初めてお会いしたのがきっかけです。そこで『my little guidebook』の冬バージョンを見ました。

――そうでしたか。夏バージョンの方が入りやすいかと思いますが…(笑)

そうなんですよ。帯広には行ったことなかったのに、このハードルは高かったですね(笑)。2021年1月末に十勝・帯広リゾベーションツアーに参加することにしましたが、マイナス20度と聞いてとてもブルーな気持ちで帯広に入りました。

ところが1年のうち9割が晴天、視界に広がる青空を目の当たりにして、心に刺さりました。昼間は温かく感じましたし。あちこち巡って、自然と食の素晴らしさを実感しました。その後Nupkaヌプカ Hanareハナレに地域情報テレビを導入することになり、何度か訪問させていただく中で、すっかり自分自身が好きになってしまって、十勝との関係が出来てきたんじゃないかなと考えています。

自ら帯広の土地を買った話

――地方創生の課題はプレイヤーは誰か、という問題にぶつかると思います。光成さんは自ら帯広の土地をいくつか購入されたと伺いました。計画されていることを教えてください。

一つは大正たいしょう地区の土地を買いました。周りに農家さんがたくさんあって空港から15分、帯広の駅前から20分の地区です。どういうものにしていこうか、時間をかけて検討しているところです。私が住むというより、域外から来た人に十勝・帯広をより体験できるような場所にしたいなと。日高山脈の雄大な景色が見えたり、農家さんと一緒にファーマーズマーケットをやったり、帯広ならではの風景を見せたいですね。畑と東京の料理人をつなげるようなこともしたいなと。

購入したという帯広市大正地区の土地
(ほぼ原野?)

もう一つは西帯広の住宅地です。私は、仕事や活動の都合上、東京にもいないといけないので、どこかに移住というより、多拠点生活になっていくと思うんですよね。多分来年になりますが、北海道のデザイナーと道産木材を活用したトレーラーハウスのモデルハウスをやろうと思っています。日本中、建築資材の上昇や円安で、なかなか一戸建て住宅を手に入れるのは難しくなっています。それを2000万円程度で解決可能だと提案できたらいいなと。今できる方法で地域貢献を示していきたいと考えています。

来年活用予定の西帯広の住宅地
トレーラーハウスのイメージ

――購入資金はどう用意されているのでしょうか。

自分の収入と借入で購入しています。ちょうど今月末に大正地区の土地を800坪買います。来年、再来年に分けて1800坪まで購入しようと思っています。安い代わりに都市計画区域外なので下水道はなくて、水道は井戸です(笑)。西帯広はさすがに市街地なので高かったですが。

地域へメッセージ

――十勝・帯広へ向けてメッセージをお願いします。

食や自然に関して、すごく魅力があると思っています。ただ、住んでいる方々にとって、それらは当たり前かもしれません。十勝・帯広の魅力ある地域資源を使って、地域の方々が幸せになるためには稼ぐこと、新しい産業を作っていく必要があると思っています。外からの人間ですが、十勝・帯広が好きな人間として一緒に楽しみながらやっていけたらいいなと思います。

インタビューを終えて

帯広の土地を身銭を切って購入し、可能性を切り開こうとする光成さん。とても開拓者魂が溢れていますし、普通はそこまでできないところに光成さんらしい行動力が垣間見えているかと思います。(大正地区の土地の開墾はまさしく開拓ですね)

当初の関係からは思ってもみなかった展開に発展することもあるのが、人と人が出会う醍醐味だと思っています。土地を買うぞ、住むぞ、というのはハードルが高いですが、できることから地域と関わってみませんか。きっと楽しい出会いが待っています。

興味を持っていただけましたらお気軽に連絡ください。いつでも皆さんをお待ちしております。

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