ワーケーションのエバンジェリスト、三菱地所神田主税さんが帯広に関わるわけと、秘めたる思いとは。
今回は、十勝・帯広中毒者(?)であり、十勝・帯広ツアーの開催にも中心的に関わっていただいている三菱地所㈱神田主税さんにお話を伺いました。
神田さんは、三菱地所㈱の社員でありながら、エコッツェリア協会(※1)の職員でもあります。東京・大手町の交流拠点3×3Lab Future(さんさんらぼフューチャー)で大丸有エリア(※2)に集う企業やビジネスパーソンと連携し、多様な社会課題の解決を目的として活動をされています。十勝・帯広リゾベーション協議会では、設立当時から積極的に関わっていただいています。
(※1)一般社団法人 大丸有環境共生型まちづくり推進協会の通称名
(※2)大手町・丸の内・有楽町エリア
神田さんが中心となって開催された十勝・帯広ツアーの回では、東京の企業と十勝・帯広のベンチャー企業をつないだり、静岡県・松崎町と十勝・帯広との連携イベントが行われました。
神田さんは何を思って帯広に関わり、何を成し遂げたいのでしょうか。日本中を走り回っている神田さんの目線で帯広について語っていただきました。
十勝・帯広愛が生まれたわけ
——十勝・帯広に関わるきっかけは何でしたか。
2019年に、「旅のはじまりナイト」という東京での十勝・帯広イベントを十勝シティデザインの柏尾さんと一緒にやってからですね。平行してKPMGさんが十勝バスさんと十勝・帯広で地方創生をやる話も重なって一緒に活動を始めました。
——熱狂的なサウナ好きの神田さん。サウナ開きが十勝しんむら牧場さんと以前伺いました。
サウナの概念が変わったところがミルクサウナ(※)で。筋肉モリモリの新村さん(牧場主さん)とサシで入りました(笑)。内心ドキドキしながら入りましたが、すごく優しい方でいろいろと教えてもらって。
(※)牧場を眺めながら外気浴ができる大自然サウナ
サウナって昔のイメージだと「臭い」「熱い」とかマイナスイメージがあると思うんですけど、ちゃんと入り方を教えてもらって、自然の中で整うと気持ち良い、休まる時間でした。コンテンツとしてすごく魅力がありますね。
私が人を連れて十勝・帯広に行くときは、必ずミルクサウナに行くようにしていて、サウナ嫌いという人も連れて行くようにしています(笑)。そしたら、こんなに良かったの?みたいな反応で。ウチの部長も連れていきました。部長に水着が必要になることを言ってなくて、パンツ一丁で部長がサウナに入るということもありました(笑)。おすすめをするとみんな良かったと言ってくれます。
三菱地所での位置づけ
——神田さんの取組みは在籍されている自社のメリットにつながっているのでしょうか。短期的には利益につながりにくいように思うのですが、社内での位置づけなどを教えてください。
三菱地所では長期的なまちづくりを目的に、大手町や丸の内、有楽町など東京駅西側のエリア活性化に力を入れて行っています。コロナで都心部のオフィスで働く人が減る中、色んな地域とつながって、働き方の多様性を担保することの必要性が世の中でも再認識されています。
大手町や丸の内にいると、色んな地域と繋がることができて、ビジネスがしやすいというブランディング、イメージを醸成することで色んな会社さんにオフィスを借りていただくことを会社全体で長期的な目標としてやっています。
部署としては大手町や丸の内、有楽町エリアのまちづくりや活性化を目的に活動しており、3×3 Lab Futureは実験的な場所として、多様なバックグラウンドを持った人材も集まっています。社員には百貨店、メーカー、IT企業、某芸能人のマネージャーをやってた人も。
十勝・帯広の可能性
——サウナがお気に入りだと思いますが、それ以外で十勝・帯広のどういうところに可能性を感じますか。
人だと思います。新村さん(牧場主さん)に、夢はなんですか?と聞くと「世界平和」と返ってくるんですよ。これにはびっくりしました。十勝の人って皆さん想いが熱いんですよね。開拓者依田勉三に影響を受けているところもあると思いますが、この広大な農地とビッグビジョンが掛け合わさって、イノベーションが興る雰囲気をものすごく感じます。
ここから日本が変わる、世界が変わる、という兆しを感じます。実際には地域内では大変なこともあると思いますが、十勝・帯広にはそれを乗り越え、変える人がいますよね。そこが他の地域との違いだと思います。私も静岡でのサウナプロジェクトを立ち上げる予定でして、サウナアライアンス(※)を十勝ともパートナーで実施すべく相談を始めているところです。
(※)サウナを通じてビジネスシーンの活性化に取り組む団体
今後の展望、成し遂げたいこと
——神田さん個人として、会社として、十勝・帯広との今後の関わり方としてどういったものがありますか。
私がサウナ好きだからサウナを推してしまう節はありますが、会社としては食とか農ですね。丸の内は生産地ではなく消費地です。だからストーリーを伝えたり全国の面白い農家さんと繋がれる「めぐるめくプロジェクト」を立ち上げているチームがいます。
食の中心になる人、十勝・帯広エリアでこの人に聞けば色んな食に繋がるみたいな人と会社をつくりたいです。具体的には4月にコンソーシアムを立ち上げて、全国の食マップ、食のコーディネーターが揃っている状態にしたいなと。
会社としても私としても食と農は可能性のある分野だと思っているので、ぜひ連携させていただきたいと思っています。サウナ後の牛乳とかバーベキューもめちゃうまいんで、サ飯にも絡めてやっていきたいなと思っています。
——静岡と十勝との交流促進のお考えもあるとお聞きしています。移動手段の問題から空港同士の繋がりは欠かせないとも思いますが、お考えはありますか。
いきなり空港同士というのはハードルが高いので、静岡の企業さんを帯広に連れて行ったりできることをやりながら、帯広空港を管理している北海道エアポートさんとも話をしていきたいと思っています。
中でも僕がプロジェクトでご一緒している静岡鉄道さんは鉄道会社ですが、バス・タクシー事業もやっていて、静岡でも交通の課題をかなり抱えていらっしゃるので、連携したいなと思っています。交通の課題には共通点があると思っているので、お互い距離が遠いけれども共同プロジェクトなんかできるといいなと。
——どんな軸を持って活動をされ、目指されているゴールはどういったものでしょうか。
最終的には住んでいる静岡を活性化したいなと思っています。実はそういう意味でも帯広なんですよ。帯広の開拓者依田勉三が静岡の松崎町の出身で、静岡と帯広は歴史的にすごいつながりがあるじゃないですか。静岡と帯広を両方盛り上げたいないなと。
静岡で起業する人が増えたらいいなと思っていますが、起業する人は静岡にこだわる必要もないとも思うんですよね。矛盾したことを言ってますけど、東京に会社を構えて静岡で実証実験する人だって良いし、地域課題を解決するようなベンチャー企業だと静岡以外の地域での横展開も必要になってきます。
どんな形であれ、地域と関わる人が増えると良いですね。今の時代、色んな地域を知って関わることが重要で、その結果として静岡が活性化するといいなと。静岡で起業して、帯広でも事業展開するみたいな人が出てくると最高ですね。
僕が最近東京にいて感じるのが、東京から地域へ出て創業するようなベンチャー企業が増えていること。東京にはないリソースが地域にはあってそこでチャレンジする人が出てきているので、そこを繋ぎ合わせるみたいなことも大事かなと思っています。
僕も色んな地域を見ながら、十勝・帯広が活性化するような取組みをして応援していきたいですね。もちろんサウナやインデアンカレーを楽しみながら(笑)。
※北海道ボールパークワーケーション開催!
先日北海道北広島市にオープンした新球場、北海道ボールパークにおいてワーケーションツアーが開催されます。新球場でワーケーション、夜の野球観戦を楽しんだ後には、十勝エリアへのオプショナルツアーも企画されております。この機会にぜひ参加を検討されてみてはいかがでしょうか!?
インタビューを終えて
オープンイノベーション、コミュニティづくり。最近よく聞くようになりました。わたしたちもどう進めればいいのか悩む日々ですが、神田さん自身が心底ワクワク、楽しそうにされている姿にひとつの答えを見ているような気がします。
一歩先行く取組をされているエコッツェリア協会様、皆から愛されるキャラ・優しいお人柄の神田さん。今後ともよろしくお願いいたします!
神田さんからの御紹介で、関わりをもった他の三菱地所社員さんも多々(大学の先輩も)。今後、このnoteでインタビューしていきたいなぁと思っています。